親とは永遠に距離を置くことはできない!?
「たった一人の血のつながった親を捨てるなんてできない」
「育ててもらったのに、許せないと思う私が悪いのでは?」
「私しかこの人を受け止められないんだから…」
そんなふうに自分に言い聞かせながら母との関係に苦しんでいた時期がありました。
家族だから、離れたいのに離れられない。離れるなんてしたらいけないんじゃないか。
その気持ちを、誰にも共感してもらえない孤独感。
その時の私は「親を拒むなんてあり得ない」という価値観に縛られていて、自分を否定することでしか折り合いをつけられなかったのです。
今思えば、それはとても辛い状態でした。
「離れたい」「でも離れられない」という相反する気持ちの間で、自分を押し殺して生きていたのだと思います。
親と距離を取ることは絶対にできないのだと思っていました。
ひとつの疑問
しかし、子育てをするうちに『そうしなければならない』という固定概念に私自身が縛られていることに気づき始めます。
「もし、私が子供から嫌われて距離を置かれることになったら私ならどうする?」と考えたことがきっかけでした。
そういう状況になったらきっと悲しく辛いと思いますが、それよりも子供にそう思わせて行動させてしまったことの方が辛いと思ったのです。私だったら子供の意思を尊重したいなと迷いなく思えたのです。
その時に『あれ?』と自分の中に疑問が浮かびました。
親が、叔母さんが、私に何度も言ってきたのはなんだったんだろう。親と距離を置くことはしてはいけないと。
最初は時代が違うからしょうがないのかな。そう思ってる親も間違ってないし、それが正しいのかもと思ったりもしました。
でも、何度も何度も自分が子供から距離を取られることを考えても、親と同じ考えにはならなかったんです。
それから本を読んだり、ネットで検索してみたりしてるうちに、親と距離を取ることは悪いことじゃないんじゃないかと思えるようになってきました。
あなたの離れたい気持ちは否定されるべきじゃない
その気持ちはあなたの素直な気持ちであって、誰にも否定されることではないからです。
「あなたが距離をとりたいと思う気持ちは、間違っていない」ということです。
私が読んだ本をいくつか紹介しておきます。
1つ目は一番最初に私が読んだ本です。『毒親』という言葉に振り回されてしまうのではなく、どういうことが親子の関係をこじらせてしまうのか、自分の問題と親子関係の問題をどう考えればいいのか考えさせられる内容でした。
2つ目は”「毒親かもしれない」とおもったらー『あなたはもう、自分のために生きていい』”のコミック版です。共感できる部分が多く、特に自分がどれだけ他人軸で生きていて自己否定が強い人間なのかが分かった一冊でした。漫画なので読みやすかったです。文章の方が好きな方は書籍の方が先に出ているようなのでそちらもおすすめです。
3つ目は脳科学者である中野信子先生の本です。この本を読んでどのように親子関係を続けていけばいいのか、親でもあり子でもある私自身がどのようにすればいいのかのヒントになりました。
